【読書感想】『夜行』を読み解くための10の疑問を必死に解釈してみた。

どうも。コトコト(@kotokotobooks)です。

今日はこちらの本の感想をつらつらと書き綴りたいと思います。

いつもの森見登美彦とは一味違う。

 第3夜 津軽

⑦田辺と岸田が親しくなった木屋町の夜、岸田は何について語ったか?

→構想中の「夜行」について。
ここで岸田は3年の準備期間を経て、「夜行」の旅をはじめたことを語った。
長谷川さんについては「興味深い人だね。」「そういう人は『神隠し』に遭いやすい感じがする。」と言った。

⑧「夜行」に描かれている女性は誰なのか?

→見た人の「理想とする女性像。」であり「長谷川さん」でもある。
ここまでの話の中で”白い女”に浮かび上がってきた顔は以下のとおりである。
 
大橋くん→長谷川さん
中井さん→変身する前の妻
武田くん→美弥さん
児島くん→佳奈ちゃん(=藤村さん)
藤村さん夫→藤村さん
 
これを見ると「夜行」に描かれている女性は「見た人の理想とする女性像」なのではないかと考えられる。
 
そして、「長谷川さん」でもあるといえる。なぜなら、作中にこのような表現が何度も登場するからだ。
「君は長谷川さんのことが好きだったんだろう?」
「それはみんなそうでしょう」
そう。英会話スクールのみんなが、長谷川さんのことが好きだったのだ。だから、物語のそこかしこで”白い女”が長谷川さんに見えることがあったのだと思います。

最終夜 鞍馬

僕はまずこの物語を読み解く鍵は『夜行』という銅版画にあると考えています。

つまり、ここが一番重要なポイントになってくるということです。

⑨英国で岸田が見たという「ゴーストの絵」。その作者は何を隠していたか。

→銅版画の中に現れた娘を好きだったこと。そして、その娘を殺したということ。
このことを「曙光」の世界の岸田は信じなかったと言っている。
となれば、対となる「夜行」の世界では岸田は長谷川さんを殺したのではないか。
 
「曙光」の世界の岸田は
3年の空白の後、長谷川さんと出会い、「曙光」の旅をはじめる。
 
それに対し、
 
「夜行」の世界の岸田は
3年の準備期間を経て、(長谷川さんを殺し?)、「夜行」の旅をはじめる。

⑩本当に夜は明けたのだろうか?

→明けていない。
大橋くんが戻ってきた「曙光」の世界はたった一度きりの朝であり、再び夜は続くのだと考えられる。
 
つまり、「世界はつねに夜なのよ」ということです。

まとめ

「夜行」を読み解く10の疑問を自分なりに解釈してみて見えてきた物語の筋はこんな感じです。

でもまだまだ不思議に思うところもあり、読むたびに解釈が変わっていくような気がします。

こんなに面白い小説にはめったに出会えないと思います。

是非皆さんもこの謎解きに迷い込んでみてください。

今回紹介した本

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